文章練習

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インテリっぽく見られたくない理由

インテリっぽく見られたくない理由

知り合いなどから、「雑学に詳しいですね」とか、「よく知ってますね」などと評価されることが度々ある。

俺はインテリではない。ただ単に、俺が興味ある分野について周囲の人たちが知らないだけであって、俺自身は無学な部類なのだが勘違いされるのである。

雑学に詳しいと言われても正直嬉しくないのである。なぜなら、さまざまな知識をクロスオーバーして深く理解しているのではなく、ピンポイントで知っているだけ、つまり浅い知識ですねと言われているようなものだからである。そして、実際にそのとおりだからである。

俺は無学ですと正直に話しても、「いやいや、そんなことないです」としつこい。

何も知らないのは自覚しているのだから、これ以上傷口に塩を塗りたくって欲しくないのである。

 

自分の意見を言うときには理屈っぽくならないようにしているし、引用もしないように気を付けている。にもかかわらず、理屈っぽいといわれるのである。結論だけを話すようにしているのにである。そもそも俺は理系じゃないから理屈より感性重視なので、納得がいっていないのである。

 

まあ、なんとなく話ができそうだなと判断した人には、読んだ本の話などをして様子を見つつ、少しずつ思考の過程を開陳するようにしている。話が通じる人との会話は疲れることも多いが楽しいのである。

こんな面倒な行程を経ないと他人と会話ができないのには理由がある。傷つきたくないのである。

 

なんらかしらの話題を振られたとき、その話題についての知識がなければ答えようがないから「知らないので答えられない」と俺は言う。しかし、世の中の人はそういう考えの人だけではない。知らないことを聞かれたときのリアクションは人によって様々である。

よくあるのは「話題を強引に変える」「それを知っているからなんだと逆切れする」「そんなこと知らねえよ、知っているほうが変だと言う」などである。

対話はお互いの気持ちがシンクロしないと成り立たないのである。

なぜシンクロしないのかというと、格下なはずの人間が自分より高度なレベルの話題を口にしているのが不快であり認めたくないから形だけでも負かしておきたいと考え、話題に「くだらねえ」とレッテルを貼りつけ封殺する態度をとるからである。いわゆる「茶化し」である。

心の中で自分より下位だと思っていた人間に足元をすくわれそうになったのだから、不快になる気持ちはわかるのだが、やられた方も傷つくのである。

こういう流れになるのが分かっているので、オウム返しにしたり、バカっぽく話を合わせている。俺はあなたに脅威を抱かせる存在ではありませんよとアピールするためだ。

バカだと思われていた方が楽だからである。

 

これらは所謂オタクが、深いオタク話が通じる相手かどうかを見極め、そうでない相手には自身がオタクであることすら悟られないように振舞うみたいな、オタクが似非オタクやリア充を相手にしたくない理由と似ている。

 

たとえ話をしよう。あるメーカーの工場がある地帯での話だとする。その市周辺の人々の大半は、何らかの形でそのメーカーの産業に関わっている。多くは、工場ではたらく賃金労働者(ブルーワーカー)だ。彼らは仕事が終わり、長期ローンで購入した車で帰宅すると風呂に入り、ネルシャツとジーンズに着替え酒場に繰り出してビールを飲みながら野球中継(ナイター)を観る。

彼らは息子たちに、男は勉強などよりスポーツをしろ、殴られたら殴り返せ、それが男だと教育する。なので、子供たちのコミュニティも荒っぽい雰囲気である。

そういう集団のなかに、青っ白く病気がちで本ばかり読んでいてる子がいたらどうなるか。

「野球に参加しねえで、本ばかり読んでるつまらない奴だ」「殴っても殴り返してこないでナヨナヨしやがって、それでも男か」

このように、情けねえダメな子のレッテルを貼られて周囲から見下されてしまうのではないだろうか。

彼は場違いである。彼は属する集団の中では異質である。趣味も考え方も何もかも周囲と違うのだから、生き辛さを抱えているのは容易に想像できる。

集団からはみ出している。いわば、みにくいアヒルの子状態である。こういう環境で育ったら、自分のことをダメ人間だと思ってしまうのではないだろうか。

能力があるだのないだの、個性がどうだの、なんていう話の問題ではなく、その集団に間違ってカテゴライズされてしまったような気がしてならない。

 

これが、俺がインテリっぽく見られたくない理由である。

話が噛み合う集団(クラスター)内では、楽しく過ごせるのである。しかし、そうでない人々と過ごすときには、意図的に気配を殺さないと逆に不愉快で居心地の悪い思いをするのである。

 

ここまで1800文字 50分弱

なかなかの進捗である。素晴らしい。内容はまあ、くだらんが、いちおう読んで読めなくもない。タイピングも速くなり、文章もすこしずつだが成長した気がする。まだまだだが、そう思っていないとやる気が起きないのである。